猫の不思議な力・・・

昨日の夕食の時だった。うちの学（ガク）が私の部屋と父の部屋を幾度となく勢いをつけて駆け抜ける。両親にはそれは滑稽な光景なんだが、自分にとってはそうでもあり、そうでもなかったりする。夕飯を終えてしばらくして、コンビニに行って部屋にもどり腰を下ろすと、キャットタワーに座り一点を見つめる学（ガク）がいた。

”あっ！”

と、咄嗟に気が付いた。こっちの家に来てからこの子はキャットタワーで落ち着くことはまずない。でも、そこに上がり一点を見つめる彼の視線の先には何かがいる。これで二度目だ。前回は、彼と暮らし始めたの最初の家で一度あった。完全に彼は集中していた。そして今回も。しばらくの間、彼は入口を見ては若干首を上に動かしてまた入口を凝視する。

”誰かがいるんだな・・・。”

その後、学（ガク）はタワーをゆっくり慎重に下りだして、前回と同じ動きで部屋を出ていく。その先にはキッチンと両親の各々の部屋だ。そして彼は母の部屋へと近づいていった。そして、中に入らず覗き込むようにしばらく母の部屋の前で構えていた。何が見えているんだろう・・・？母は部屋の中で阪神戦を観ていた。

自分と学（ガク）との出会いもある意味変わった感覚があったと思う。野良猫時代、まだ幼い彼は猫風邪に苦しんでいた。何とかしたいと思いつつ捕まえられない。ある日、陽だまりで寝ている彼に手を伸ばすと一瞬彼に触れた。すると彼は逃げると同時に、一瞬立ち止まり何かを感じ考えた、そんな気がした。その後、彼は急に私に心を許し出したのだ。

生後半年過ぎた頃の学（ガク）

この子にはちょっと敏感な感覚があって、他の猫たちよりも強いんだと思う。その感覚で、私自身も彼に助けられているところもあるのかなとも思う。

逆に妹の稚（ワカ）はどうかと言えば、この子は鈍感女子なのか、彼が全集中をしている時、ステステステと部屋を出ていく。分かっていてそうしてるのか？そうであれば、学（ガク）以上に凄いわ・・・！

同じ血を引く兄妹でも個性が本当に異なるんだな・・・（笑）

正美